本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

読み終えるのが面倒で鈍器文庫を読む「行き暮れて雪」

お題「我が家の本棚」

行き暮れて雪

はじめに(画像の説明)

野坂昭如著作で、氏の名前を聞いて一番に思い出すのは「火垂るの墓」や「四畳半襖の下張」でしょうか。自分の積読から、氏の著作掘り出して読み漁ってます。

ラインナップ

1章20ページほどで、34章から成ってます。自分、律儀に毎晩1日1章34日で680ページの文庫本を読み終えました。

引用

著者の体験を元にした作品らしいが... 全体を通して、

待合を、人と待ち合わせる場所という意味にとって、「おとぼけでないよ」祖母に皮肉られたが、たしかに少し無邪気ぶる気持ちもあったにしろ、何をするところか事実知らないのだ。

このように皮肉を通じて、妙な距離感を保ちつつの人間関係を描く一方、

高畑の家へ戻り、人並み以上の生活を送るようになって、空襲の朝、凍結されてしまった幼児性が、溶けはじめ溢れ出すように思える。昭和二十年六月から、二十二年十二月まで、ほぼ二年半分の成長が欠けている、欠けているだけではない、丁度、この家へ来て一週間ほど、栄養失調の体を回復させようと、バターを盗み食いし、汁粉をかくれて何杯も飲み、さらに下痢を激しくさせたようなもの、なまじ高校へなど入ったものだから、周囲の、平均よりは、はったり混りにしろ大人に身を合わせようとして、消化不良を起こし、さらに子供っぽさが目立つ、これに焦れて酒を飲む、家での真似をしでかす。

作品および著者の体験をざっくり総括して記載しているが、「皮肉を通じた妙な距離感」というのも、このような事情があるだけに変な共感をおぼえつつ割と飽きることなく読めてしまった。

幸いにして、戦争体験をせずに済んでおりますが... 戦争を体験してしまった世代はその理不尽さを消化(納得?)はできるのか、できないか。自分たちが簡単に言及はできないなと。

この一冊でした