本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

12-短編・中編とアンソロジー

台湾の短編集「歩道橋の魔術師」呉明益

台湾を身近に感じられるようになった台湾の小説

新潮クレスト・ブックス「あなたを選んでくれるもの」

20年以上も作品を出し続けている新潮クレスト・ブックスより岸本翻訳作品をば。

常盤新平とニューヨーク

かつて20代に突入した自分にアメリカを示してくれた方々のお一人

カポーティ短編いろいろ読んで

カポーティが短編で触れている女優ガルボ、その彼女が所有していたモディリアーニの作品を生で見ることができて

「走れメロス」太宰治

国語の教科書で出会ったあの作品を再読

横溝短編「黒猫亭事件」にちなんで神々しい黒猫をば

長編は名家である本陣で起こった密室殺人、短編は黒猫亭で起こった首なし殺人事件

太宰の昔ばなし「お伽草紙」オチにはスパイシーな毒気が

カチカチ山でウサギに敵討ちをされるほどタヌキは悪者か?

もっと座布団の由来を読みたい「夫婦善哉」大阪短編集

大阪らしい大阪が似合う短編集、著者の長編が読めないのが残念

火宅の作家・檀ふみパパによる短編集「花筐」

「火宅の人」の著者・檀一雄氏による短編「花筐」と2017年に公開された映画が気になる。

芥川短編集・夫の姫君を思う気持ちを「栗の実が落ちた」と言う妻

芥川短編、一途に生きることを意識して読んでみると、味わいが変わってくる(かも)。

芥川初期の短編集より「邪宗門」で思い出す喫茶店が国内にかつて8店舗あった

芥川の小説には「羅生門」だけでなく「邪宗門」もある。画像の喫茶店とは無関係だけど(多分)、喫茶店「邪宗門」はかつて日本に8店舗!もあった。初期の小説はやはりまだ病んではないね。

古代中国史で読む「李陵・山月記」名人偉人の生き様は?

日本芸術界を代表する芸大の音楽ホールで名人芸を堪能した。願わくば、自分も一芸に秀でた人生を送りたいものの、古代中国を舞台にした偉人たちの人生は?

加賀藩に存在した河師の息子&娘物語・室生犀星「あにいもうと」

室生犀星の小説には川師(河師)という職業があり、故郷・加賀藩ならではの仕事なのかな。「あにいもうと」はその川師の息子&娘で結構ザラザラと塩っぽい小説。

アーウィン・ショー「夏の日の声」アメリカ人の夏は野球なんだな

アメリカ人が夏と少年時代を振り返ると野球が出てくるが、それだけでは終わらない夏を重層的な思い出で語る小説だった。

「夏服を着た女たち」というタイトルは写真を撮りたい気分にさせられる

何度も読み返してしまう短編小説、それはニューヨークが舞台であったり、訳者にひかれていたり、切れ味鋭い短編だったり。理由はいろいろ。

岡本太郎ママによる「金魚繚乱」は金魚で男の人生も繚乱

岡本太郎ママ、岡本かの子による金魚で人生繚乱される男の小説。女史の小説は、そのわかりやすい題材で、主人公たちの人生を描く独特なセンスを感じる。

川端康成はモチーフ使いが巧み、線香花火の儚さは日本の美だと思う

モチーフ(花火など)使いも巧みな超短編集で、川端康成の世界観がヒシヒシと感じられる。

梅雨に紫陽花と梅の実だけど「青梅雨」は悲しい小説

梅雨に紫陽花と梅の実コラボ画像、梅雨っぽい短編ということで永井龍男の「青梅雨」を思い出すのだが、この暗い結末の短編の情感は濃過ぎるか?