はじめに(画像の説明)
時代は昭和51年らしい。
昭和五十三年に株式会社実業之日本社より単行本として刊行されたものです。(編集部)
とある。自分4〜6歳だから、物心ついたようなつかないような時代と言いつつ、当時を思い起こしながら読んでみる。
すでに野坂氏の自伝のような「行き暮れて雪」を読了しているだけに、氏ことは少しわかっている(多分)。いわゆる雑文のような作品集で、野坂氏の指向と(世相)が凝縮されたような内容で久しぶりに昭和を感じたかな。
ラインナップ
- マスターベーションの衰退
- なれなれしい若者
- 威丈高な若者
- 卓袱台か二月堂か
- 士農工商コマーシャル
- 孤独な雄犬
- 「やったり」「とったり」
- がまんならない女ども
- 避難宿の出来事
- 「文化祭のおまんた囃子」
- 脱け毛の季節
- 女性上位の新婚旅行
- 農民の自殺
- わがパチンコ論
- 酒歴二十七年の弁
- 北九州の女
- 続・北九州の女
- 講演旅行
- 愚にもつかぬ特技
- 後どりスタイルの流行
- 受身の心得
- 女の見定め方
- ナニの大アップ写真
- 死刑など安楽死の一種
- ストリップ小屋のライブショウ
- さよなら九年間の歌手生活
- 面くらう幼女姦の傾向
- 美人コーディネーターの配慮
- 女流自慰研究家との対話
- 赤塚不二夫バンザイ
- 処女率より高い童貞率
- くどい中年女性の性談義
- 個性表現ゼロの現代っ子
- 三美女とアスピリンの唄
- 女子中・高生からの書簡
- 線後二十年の感慨
- 番茶も出花の高校二年生
- 筒井康隆氏に脱帽
- 『カイジ連』結成!
- 喰いついてくる少女たち
- 秀才大将・餓鬼乞食
- 若者よ体をきたえとけ
- わがダンス遍歴
- 幻の卒業式典歌
- 雀と金魚と目高の墓
- とぼしい男女交際の場
- 現代若者衣装哲学
- 汽車旅行バンザイ
- しのびよるボケ
- わが裸考
- あらまほしき老境
- 一人暮し天国
- 妄想ごっこ
- 仲人のたのしみ
- 招かぬ客たち
- 禁煙の弁
引用
- マスターベーションの衰退
オナニーにまで首をつっこんでくる母親の攻撃力に、少年はなえ果てるのだろう、隠れて行うからこそ、あれはさらにいろどり鮮やかなものとなるので、公認では、興味半減してしまう。
しょっぱなから、このような内容ですか!と思いつつ、後半の「いとどり鮮やかな」という表現で何かが中和されました。
- 美人コーディネーターの配慮
値段は三十六万円、仕立てはテーラー上原、当主の御尊父は、日本洋服界の草分け、小生のタキシードが完成する前日、亡くなられた。
ネットで検索してみたのですが、もはや多くの情報はなく、こちらの紹介文に余韻を感じました。
- 赤塚不二夫バンザイ
あの無気力な群衆と、皇居のまわりをとっとこ走るマラソン軍団の姿は、なにやら不吉な感じなのだ、(以下、略)
「あの無気力な群衆」とは、歩行者天国をのらりくらいと歩いている方々ですが、皇居のまわり走るトレンドは昭和の時代から存在したのですな!っと驚きました。
立て続けに野坂作品を読んだので、しばらくは他の作家の作品を読もうという気持ちです。鈍器文庫「行き暮れて雪」が自分的には読み応えあったです。
この一冊でした
やはり、ちょっとエッチな方向なのでしょうかな。