本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

新潮クレスト・ブックス「あなたを選んでくれるもの」

あなたを選んでくれるもの 著者サイン

はじめに(画像の説明)

久しぶりの新潮クレスト・ブックスです。

岸本女史はこういうところに注目し、そのような翻訳家が翻訳する作品にまた注目する自分。

訳者(岸本佐知子さん)とフォト入りという2点で、うっかり手に取ってしまった。自分にとっては、少々厄介なシリーズだから、沼に落ちないよう近寄らないのだが...。

やる気の問題ではないと思われるが、本人の性格を反映している部分はあると思う。

ラインナップや引用

原題は「It Chooses You」割と直訳ですが、悪くないかなと。

映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみることにした。革ジャン。オタマジャクシ。手製のアート作品。見知らぬ人の家族写真。それぞれの「もの」が、ひとりひとりの生活が、訴えかけてきたこととはーー。アメリカの片隅で同じ時代を生きる、ひとりひとりの、忘れがたい輝き。胸を打つインタビュー集。

こういうアイディを思いつくところに、生きることに貪欲な姿勢を自分は感じたかも。

ちなみに、ミランダ女史が実際のコンタクトをとり取材にうかがったラインナップは次のとおり。

  • Lサイズの黒革ジャケット 10ドル
  • インドの衣装 各5ドル
  • 大きなスーツケース 20ドル
  • ウシガエルのオタマジャクシ 1匹2ドル50セント
  • レパード・キャット(ベンガルヤマネコ)の仔 値段応相談
  • 写真アルバム 1冊10ドル
  • 六十七色のカラーペン・セット 65ドル
  • <ケア・ベア>人形 2〜4ドル
  • コンエア社のドライヤー 5ドル
  • クリスマスカードの表紙部分のみ50枚 1ドル

そして、(狙った訳ではないのでしょうが)最後のクリスマスカードの提供者が映画につながる訳で、結果としてフィクションのようなノンフィクションで人々に訴えかけられる内容になりました。

いろいろな人生があるな、それを感じさせる海外小説を集めているのが新潮クレスト・ブックス。

野暮ですが、リンクを貼っておきます。 www.shinchosha.co.jp

一体自分は何冊読んで、何冊買ったことか。

この一冊でした