本一冊

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「走れメロス」太宰治

走れメロス太宰治


文庫概要

 

タイトル 走れメロス
著者 太宰治
出版社 新潮文庫

 

カバー 山下清

 

内容紹介

 

収録作品か下記のとおり、読んでみたいと思っていた作品が多く、自分にとってお得感ある一冊。

 

 

走れメロス」は中学三年生の国語教科書必須だったかなと。久しぶりに読めて嬉しい。

 

ダス・ゲマイネ

 

一度は読んでみたいと思っていた作品ではあるが…

 

「ちぇっ! また御託宣か。――僕はあなたの小説を読んだことはないが、リリシズムと、ウィットと、ユウモアと、ポオズと、そんなものを除き去ったら、跡になんにも残らぬような駄洒落小説をお書きになっているような気がするのです。僕はあなたに精神を感ぜず世間を感ずる。芸術家の気品を感ぜずに、人間の胃腑を感ずる」

 

自分にとっては、少し苦手な傾向の太宰作品だった。

 

「胃腑」とは何ぞやと思ったので、ネットで調べた内容を掲載しておこう。

 

胃(い)の腑(ふ)に落(お)ちる
十分に納得がいく。胃の腑に落ち着く。

 

富嶽百景

 

上記作品とは対称的に、こちらは(あらすじは知っていたが)期待通り。

 

三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うのか、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすくっと立っていたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う。

 

「富士には、月見草がよく似合う。」こういう一言が良い。

 

「帰去来」「故郷」は「津軽」の前章みたいな感じで良い。
「東京八景」はマイホームタウン天沼も登場するけど、やや期待外れだった。

 

まとめると、著者自身の理想を語る作品より、土地を通して著者が感じたことを語る作品を自分は好きなんだと発見した。

 

この1冊でした(Amazon

 

今後また機会あって再読すれば、考えが変わる予感もちょと残る。