過去が楽しい「コラムで読むアメリカ」憧れの国だったころの話

旺文社文庫を集めるきっかけになった1冊

普通の人は気に留めないけど、自分の場合、父親が旺文社勤務でその糧で自分は育ててもらったのだから、自分が勤めている会社より思い入れがあったりする。しかも、常盤新平氏はまだ20代の若かった自分がニューヨークに憧れ、しばしば氏の著書を読んだものだった。

本のタイトルコラムで読むアメリカ
著者名常盤新平
出版社旺文社文庫
この写真にちなんで、こちらの文庫を紹介したい。

表紙の写真、依田恭司郎氏って気になる。2018年にお亡くなりになったようだ。

まだアメリカを遠くに感じていた

もう20年以上も前になる、しばしば著書を読んでいたから身近に感じていた常盤新平(1931-2013)氏だけど、2013年にお亡くなりになった。

「夏服を着た女たち」が好きでよく読んだ。目次を見てもすっかり時代遅れの内容なのに、今となってはそれが過去への思いをかき立てられて切なくていい。

もともとは1981年に大和書房刊、1986年文庫になった。

  • Ⅰ 大きなアメリカ・小さなアメリカ
  • Ⅱ アメリカン・ジャーナリズム
  • Ⅲ 作家の横顔と本の素顔
  • Ⅳ 七〇年代に何が起こったか
  • Ⅴ 本について何か言いたくて
  • Ⅵ 日記から

Ⅰ 大きなアメリカ・小さなアメリカ

2020年の今となっては、ケンタッキーやマクドナルドからアメリカを感じる人は少なくなったかも。自分も子供ころはまだ、マクドナルドは特別な日にしか食べた事なかった。

ケンタッキーもマクドナルドも、アメリカの味にはちがいない。でも、料理でしょうか。

常盤氏には同じく旺文社文庫から「アメリカン ブランド物語」があるけど、今なら wikipedia を読めば知れることを、憧れいっぱいで読ませてくれるのかな。Amazonで買ってしまおうか。

Ⅲ 作家の横顔と本の素顔

ちょっとした発見もある。

1942年以後、「The Best American Short Stories」の編集者として活躍した女性の話。私の好きなヘミングウェイの性格を否定している。自分はヘミングウェイという人間が好きなのではなく、その作品が好きなのだけど、嫌な性格の人物の方が読み応えある作品を書くと思う。

マーサ・フォリーは作家を愛した。しかし、例外もあって、彼女によれば、ヘミングウェイは「薄情なろくでなし」である。先年亡くなった推理作家のレックス・スタウトとは親しかったし、文筆業者に有利な著作権改正で頑張ったスタウトの努力を高く買っていた。

レックス・スタウトも「料理長が多すぎる」を読んだことがある。楽しく読んだけど、ヘミングウェイほど毒はなかった。

これまた、自分が好きなカポーティについても期待を持たせるレポートを書いているけど、結局1984年に薬物中毒?で亡くなってしまった。自分は小学生だから、その衝撃をリアルタイムで体験できなかったけど、まだカポーティが生きているような錯覚がある。

数年前、カポーティはきわどいモデル小説の一部を雑誌に発表して、社交界から袋叩きに遭った。アル中と麻薬中毒になった。しかし、作家としての危機を切り抜けて、カポーティは復活したらしい。いま、真白な仕事部屋で連日十時間も創作に専念して長篇の完成を急いでいる。

Ⅴ 本について何か言いたくて

こんな記述があると、やっぱりまたAmazonで探してしまう。

この文庫の時代のおかげで意外な傑作まで読める。岡本綺堂情話集の『箕輪の心中』(旺文社文庫)もそのような一冊である。(略)元禄9年12月14日の算用数字も気になる。出版社が年号を算用数字に統一したのだろうが、行き過ぎである。

現代の作家の作品も気になるけど、自分は過去の作品が気になって好きで仕方がない。過去とは、原稿をパソコンで書かない時代のこと。

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