長年積んでいたコミさん著書を読み始める

久しぶりの連投(連日投稿)。

小実昌氏ならば「ポロポロ」かなと思いつつ、予備知識ならぬ予備感覚を得るためにこちらにしてみた。

本のタイトルコミさんの二日酔いノート
著者名田中小実昌
出版社旺文社文庫
この写真にちなんで、こちらの文庫を紹介したい。

表紙のコミ氏は、写真で知る限りで似ていると思った。実物にお会いしたことないけど、実際は多分もっと男前な気もする。描いた方は「守田勝治」氏という方らしい。wikipediaに掲載されてないので、詳細は不明。むむむ、気になりますがな。

「こみまさ」というお名前の響きが素晴らしい

小実昌さんって、初めてその名を耳にしたときから、名前がよい。多分(自分同様)本人も自分らしくて気に入ってると思う。本文中にもところどころ「コミ!」と呼ばれる自分を描写している。

単行本の再刊らしい。だけど、収められてる作品の出典はやっぱりどこかの雑誌などではないか。

I~Ⅲの3章立てで、各10編前後の文章が収められている。Ⅱが翻訳関連の話題が主で、他は飲み人間関係模様や家族のことが主となっている。

これからコミ氏著書を読むに備え、何だかとってもコミ氏の雰囲気が出て笑わせてもらった作品を紹介しておく。

「女家族の中でのボク」

コミ氏の奥さまは、画家・野見山暁治(99歳でご健在!)氏の妹、次女さまは田中りえ女史で作家として活躍もされていたが、なんと2013年に57歳で亡くなっている。

上の娘が生まれたときは、ぼくは失業していたのでよかったが、下の娘のときは夫婦ゲンカになった。
(略)
「どうして、電話するのよ?」女房はきげんをわるくした。
「ぶじに生まれたかどうか知りたいからさ」ぼくはこたえた。
「そんなこと、夕方、うちにかえってくれば、わかるじゃないの」
「いや、もしものことがあるといけないからさ」
「もしもって、なによ。お産っていうのは、いそがしいのよ。電話なんかしてられないわ」

自分、お産の経験はないけど、電話する余裕がないのは十分に想像できる。

 画家の野見山暁治は、女房の兄貴で、ふたりはなかのいい兄妹だけど、ある日、しみじみ言った。
「おれは、あいつの兄貴でよかったよ。結婚だけはしないでよかったからな」

それほど悪妻にも思えないけど、家族で自虐ネタかなと思いながら読んで最後の締めがこちらの二文。

(略)だけど、こんなふうだと、うちの娘たちはお嫁にはいきそうもないなあ。
 いや、娘たちよりも、まず、女房がどこかにお嫁にいってくれないかなあ。

訳者としてもコミ氏も興味あるけど、まあ出会った著書を読みつつ楽しもうと思う。