杉並区民は阿佐谷の地名にそそられて手にしたけど
こちらの1冊で永島慎二氏を知った。もはや故人なのですね。「阿佐谷界隈」というタイトルにひかれて手にした。
本のタイトル | 阿佐谷界隈怪人ぐらいだあ |
著者名 | 永島慎二 |
出版社 | 旺文社文庫 |
wikipediaをみると
1980年代以降は挿絵の仕事が多くなる。好きなキャラクターはピエロだった。
と記載あり、それを証明するかのような表紙もいい。
出世作は『漫画家残酷物語』で、ガロのつげ義春氏はもちろん、『ゴルゴ13』のさいとう・たかを氏とも付き合いがったようで、過ぎ去りし時代の作品に自分の興味が募る。
雑誌などに寄せた文章や漫画を集めて編集さした1冊、作者の独自性に触れらることができて自分好きなタイプの本。
ガロ系はつげ義春ばかりではないのだなと
ラインナップは次のとおり。「夏休み」「白い一日」は読み切りの漫画、他は人間模様の話に著者自身によるプチ挿絵を添えてまとめられている。文章書きが専業ではない人の話って、違う意味?で興味深い。
- 阿佐谷界隈怪人ぐらいだあ
- ぼくの出会った女の子
- 夏休み
- 白い一日
- ピンクの錠剤 -ショート・ショート集-
- ラ・ポエーム
- 夜明け前の散歩 あとがきにかえて
- 永島慎二の銀河鉄道王国(長谷川龍生)
残念ながら2005年に67歳でお亡くなりになっているが、タイトルにもなっている「阿佐谷」に住んでいたようなので、自分としては妙な親近感を抱いてしまう。
他にも、漫画や出版界にゆかり深い人々が紹介され、自分の関心が少しづつ広まるのも楽しい。内弟子とした何人かは、アニメーターとして活躍もしているらしい。アニメや漫画にについて、自分造詣は深くないけど嫌いでないから、いろんなことを知ることができるのも楽しい。
- 青林堂の長井社長夫妻
- 長谷川龍生
- 赤瀬川原平
現在の青林工藝舎は、かつての青林堂社員から派生しているようだけど、wikipediaにあった
2018年現在も法人としての「株式会社青林堂」は現存しているが、「経営上の問題」により保守・右派的出版社へと変貌を遂げており、かつての面影は最早どこにも残っていない。これに関して漫画家のしりあがり寿は「いまや青林堂と青林工藝舎は全く別」と述べ「この世界の陰で蠢き震える魂に手を差し伸べるようなガロの伝統は青林工藝舎のアックスに引き継がれている」と述べている
を読んで、青林工藝舎への関心が募る。結構面白い漫画を出版している。
そして、こういうツイートに出会うとテンションあがり、興味が募る。
そうして、また散財して本が増えてしまう。