「銀座を歩いて」岡本哲志


マイ銀座もいろいろあるけど一番はこれ

新開発が進む銀座は新たなステージに上がろうとしているけど、自分にとっては新入行員時代に先輩方々に連れてってもらった飲み会帰りに食べたこれが印象深く残っている。

2017年現在でも変わらぬ雰囲気を漂わせていた。

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
銀座を歩く ー四百年の歴史体験ー」 岡本哲志講談社文庫)

銀座は歩くだけでいろいろある

気軽に読めるというよりは、結構しっかり事実が淡々と凝縮されている内容であった。専門書に近い雰囲気で、専門的に知識を取得できます!

とは言え、その中でも自分に刺さったのは…

最近では筑波山など意識する人などいないだろうが、江戸に町人地を整備する時の重要な基準点であった。(略)江戸時代になぜ筑波山が都市を作る道しるべになったのかがよくわかる。大山や丹沢連峰の奥に一際高く聳える富士山と違い、孤高に関東平野に突起しているからだ。これが江戸の下町では日常的に見られた。

歴史上、必然的に生じる内容に自分は反応する。

江戸東京は、単に平板的に街が拡大したのではないし、拡大するそれぞれの街が橋を渡ることで別の個性を発揮する。江戸は面白い空間の枠組みを残して、明治にバトンタッチしたのだと感じる。その優等生が銀座だ。

詳細は本書を読んで欲しいが、その地の利が故に人工的に開発される背景が興味深い。もちろん、そこには人間の欲や見栄もあったりするからなお面白い。

流行を追うおしゃれな銀座も良いが、こんな歴史体験も悪くない。

この1冊でした

銀座を歩く 四百年の歴史体験 (講談社文庫)

 

銀座を歩く 四百年の歴史体験 (講談社文庫)