「信仰の現場」ナンシー関


お題「ブログをはじめたきっかけ」

1枚の画像と読書日記を綴っておきたいと。

昭和の面影はもはやなく平成という気分でもない

師走の新宿コマ劇場跡地

Sony a7 with NIKKOR 24mm f2.8

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。

信仰の現場
ナンシー関(角川文庫)

現在の信仰の現場が気になる

あるものを熱狂的に求めている人たちを「信仰」にたとえ、彼らが集まる場所に足を運び、非熱狂の視点でまとめたもの。

総括としてナンシー女史特有のコメント付き消しゴム版画と、現場でその熱狂ぶり?を撮影した画像が掲載されている。平成3〜6(1991〜1994)年という時期だから、自分にとってはちょうど大学生時代と被る。

もはや、過ぎ去りし過去(自分の若かったころ)として懐かしさを覚える。当時はまだデジカメはなく、撮られる方も今ほど過敏になっていないとこが新鮮さえする。

さて、内容だけど、ナンシー女史はどこに信仰の存在を求めたかと言えば…

Ⅰ(スタジオ・ボイス

Ⅱ(野性時代

()は初出として連載された雑誌名。

連載初期の矢沢永吉コンサートは

全員が同じスキを持っているという安心感が、彼らを無防備にさせる。

この一文で、ミッキーになりきるディズニーランド熱狂者を思い出した。2019年を迎える今は熱狂も落ち着いたのか、10年ほど前には自分の周りにもかなりいたが、みんな歳とって大人になったのかな?

ゾロ目マニアは、大学の先生を思い出した。先生を喜ばせるべく、平成6年6月6日6時6分の六本木駅で頑張った同級生がいた。ナンシーは平成4年4月4日4時44分の四ツ谷駅だ。

上記のラインナップには、(残念ながら)結構ナンシー女史の期待を裏切る非熱狂の現場も少なくない。

個人的に一番笑えたのは、「ドリームジャンボ宝くじ抽選会」の新宿コマ劇場でのレポート。

「昭和の大衆劇場」の香りがある新宿コマ劇場ジャンボ宝くじ抽選会があるのだが、期待するほどの熱狂ぶりはない。なぜなら、誰も当たりくじを持参せず、何百枚と購入している人もいるだけに、その場で「当たったぜ!」という光景はない(らしい)。

肩透かしを食らうけど、その後の「北島三郎コンサート」を気にする。

勧銀宝くじ部は、「宝くじファン」を「1時間くらいは待つ」と見すかして、プログラムを立てたわけだ。(略)「タダでサブちゃん観れるなら1時間くらい待つ」人が全国に4000万人ぐらいいると思ってることか。勧銀宝くじ部は考え改めた方がいいと思う。

かつての勤務先(第一勧業銀行)だっただけに、まんざら他人事ではないが、そういう説教で終わるくらいなので、ここに信仰を見出せなかったナンシー。

消しゴム版画のサブちゃんには「きかずに帰るのかオレの歌を」と言わせている。

前振りが長くなるが、信仰の現場のレポートより、この消しゴム版画だけで十分笑える。目の付け所と、総括している消しゴム版画がいい。

雑誌の連載企画だろうけど、「信仰の現場」というテレビ番組にもなりそうなネタ、そして、表紙もいい。

この1冊でした

信仰の現場―すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫)

 

信仰の現場―すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫)