本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

ハズれない作家W.S.モームの「読書案内」

お題「わたしの癒やし」

ふむ、癒やしとは無理くりな部分もありますが、ハズレのない読書をしたいときにはモームです。

そんなモームの一押しはこちらかな。

www.1book.jp

はじめに(画像の説明)

サマセット・モーム「読書案内」岩波文庫

訳者は西川正身氏です。岩波文庫の表紙は少々味気ないものの、この無愛想が捨てがたい。

ラインナップ

今後自分が外国作品を読むときの参考したいところであるが、少しやはり時代感がある。だけど、時を経てもやはり面白いものは面白い!というのは、自分が言うまでもなく、良くも悪くも人間ドラマが描かれているのだな。

引用

他の多くの小説家のばあいのように、いわば真空のなかに住み、自分たち以外の世界はぜんぜん問題にしないといった人びとの、しかもわずか二、三名の人びとの運命ではなく、わたくしたちすべてが生活しているこのひろい世界を構成する、ありとあらゆる人びとの運命を問題にしているのであって、そのさまざまな運命を物語る作者のすぐれた技巧は、まさに完璧といわねばならない。

アメリカの書物が、このわたくしに興味をおこさせるためには、その土地の香りをもっておらねばならない。

それはマーク・トウェインで、彼にはいまいった性格が際立ってつよく出ているが、彼の作品のなかで、とくにそれが豊かに香り高くあらわれているのが、『ハックルベリ・フィン』である。

たしかに、トム・ソーヤより断然ハックルベリ・フィンが面白かった。

モームが世界文学のなかからえらび出した代表的な小説一〇篇の名を、次にかかげておく。

結構読んでいるな、自分。

  • あとがき

ここに訳出した”Books and you” は、「はしがき」にもことわってあるように、モームアメリカの週刊雑誌サタデー・イヴニング・ポーストに三回にわたってよせた文章をもとにし(くらべてみると、わずかながら手が入れてある)、それに「はしがき」の文章を新たに加えて、雑誌に掲載した翌年(1940年)、公にした単行本である。

この一冊でした