新書の表紙
現役作家の作品はあまり読まない自分だが、ときにハマる作家(自分では発掘したつもり)もおりまして、そのような方の一人に佐世保在住(らしい)佐藤正午氏がおります。
その作品性に魅了されている自分で、そんな佐藤氏の小説に対する感性が気になんっていたおり、うっかり遭遇したのがこちら... なんと新書、しかも!というかやっぱり!というか岩波新書です。
新書の歴史は全く知らぬが、新書と言えば... どこなのでしょうか? 自分は中公新書のイメージが強いけど、AIによれば次のような感じらしい。
新書の表紙は味気ないけど、そこが新書なのかなと。それにしても、佐藤正午氏は岩波書店の作家さんなのかしら、はは(好きです)。
ラインナップ
- 川端康成『雪国』
- 志賀直哉『暗夜行路』
- 森鴎外『雁』
- 永井荷風『つゆのあとさき』
- 夏目漱石『こころ』
- 中勘助『銀の匙』
- 樋口一葉『たけくらべ』
- 三島由紀夫『豊饒の海』
- 山本周五郎『青べか物語』
- 林芙美子『放浪記』
- 井伏鱒二『山椒魚』
- 太宰治『人間失格』
- 横光利一『機会』
- 織田作之助『夫婦善哉』
- 芥川龍之介『鼻』
- 菊池寛『形』
- 谷崎潤一郎『痴人の愛』
- 松本清張『潜在光景』
- 武者小路実篤『友情』
- 田山花袋『布団』
- 幸田文『流れる』
- 結城昌治『夜の終る時』
- 開高健『夏の闇』
- 吉行淳之介『技巧的生活』
- 佐藤正午『取り扱い注意』
さすが、いろいろ読まれている、しかも(やはり)プロとして分析しながら読まれている。
織田作之助『夫婦善哉』
肩入れしている感じでもなく、わりと中立的な読み方をされている。
そんなことやる暇に、志賀直哉が気に入らないなら気に入らないで相手にせずほっといて、もう少し長生きするために摂生して、書きかけの小説を書けばいいのにとも思うのだが、でもそれはいまの時代の独身派の、人づきあいにもわずらわされず佐世保で二十年小説を書いていられ、五十過ぎてもなお書くつもりでいる小説家の呑気な言い分にすぎない。
それでいて、あざとい人のあざとい部分をオブラートに包みながら触れているのが、自分的にはいいかも。
この一冊でした
積読より未読の紹介
「象を洗う」佐藤正午/岩波書店
趣味の散歩で行きつけの古書店において、200円で掘り出してしまった。印税が入らない著者や出版社には申し訳ないが、こういう掘り出しがあるから、古書店巡りは止められない。
「side B」佐藤正午
競輪を長年の趣味としており、『永遠の1/2』や短編集『きみは誤解している』、競輪についてのコラム集『side B』等々、競輪を題材にした作品もいくつも出版されている。
という解説があり、競輪話も読みたい!と掘り出して積んである1冊。
こうして、結局自分は読書という沼にどっぷりとつかっている。