本一冊

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夏目漱石が「夢十夜」でみていた夢は?

長野県善光寺の仁王門にある金剛力士の足

これ彫ったの?

Nikon D5300 with 35mm f1.8

ペディキュアを気持ちよく塗れそう... という形の良い爪も気になったが、もはや木像というより肉体を感じる。小指に力が入って踏ん張っている感じもいい。

接木なのか、経年変化で割れが生じているのか、詳しいことは不明だけど、木の質感が乏しいかと。

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
文鳥夢十夜夏目漱石

運慶は仁王像を彫るのではなく掘る

夏目漱石と言えば「坊ちゃん」「吾輩は猫である」や中学で習った「こころ」が記憶に残っているが、ふんわり不思議な雰囲気な作品もある。

例えば、この「夢十夜」も「こんな夢をみた」で始まる、一夜完結の夢を語っている。第六夜で、運慶が仁王を彫っている話がこちらであるが、運慶はもはや彫るのではなく掘るらしい。

「なに、あれは眉(まみえ)や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出す様なものだから決して間違う筈(はず)はない」

素人は「いくら掘ってみたところで掘り出せない」というのがオチのようになっているけど、妙に説得力あるこの話は漱石がオリジナルだったのでしょうか。天才は大げさだけど、才能とはこういう感じかと思う。

夏目漱石の作品は全部、できれば発表時系列できちんと読みたい(多分読む、いや絶対読む)。

この1冊でした