本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

日本の洋食・たいめいけんのこと

お題「我が家の本棚」

「たいめいけん」に関する文庫

積読から掘り出しました古本2冊、今も日本橋にある「たいめいけん」にまつわる本ですね。

書籍概要

項目 内容
タイトル うるさい男も黙る・洋食の本
たいめいけん・よもやま噺
著者 茂出木心護
出版社 旺文社文庫

内容紹介

著書のこと、ご存知でしょうか? 自分はぼんやり... だったのですが、かつて職場が日本橋寄りの茅場町だったことがあり、「たいめいけん」のことは知ってました。で、時折、なぜか(少々顔黒な)経営者の名前(というより名字)を聞き及んでいて、ぼんやり存じていた次第です。

詳細は(サイトというより)お店のホームページがあるので、そちらにて。

www.taimeiken.co.jp

今回紹介は、そんな日本橋老舗たいめいけんの創業者の方による著作です。昭和の時代には、洋食のご意見番のような存在だったのでしょうか。

明治44年生まれの昭和53年死去だから、まさしく明治生まれの男なのですね。 文庫内での紹介によれば、

昭和六年四月中央区新川に、”たいめいけん”として独立開業。昭和二十三年日本橋の現在地に移転。

とある。勤務先が近かった数年前に一度だけ、ランチに行ったことがある。当時は、ラーメン店舗もあったのですが...

一時は閉店もしていたようですが、心強いことに、根強く営業されているようです。

「うるさい男も黙る 洋食の本」

明治生まれの男子が語る昭和の時代で、ある意味、おしゃれな外食産業の時代の雰囲気が残っている!

  • はじめに
  • 料理以前の料理
  • おなじみ料理33のコツ
  • 材料の買い方・使い方アドバイス
  • 調味料使いどころ
  • 台所道具についてプロからの提言
  • 調理場五〇年のこぼれ話
  • 文庫版あとがき

昭和の料理エッセイ、時代も感じられて読むのが楽しくなった。

食材の移り変わりや、著者の目の付け所などに読み応えがある。「はじめに」で

 料理にうるさいご亭主のタイプは、およそ二つに分けられます。  味にうるさいタイプとすぐに料理ができないと文句をいうタイプです。 (略) どんな名コックも愛情のこもった家庭料理にはかないません。

「材料の買い方・使い方アドバイス」の「ムール貝」では

二〇年近く前、巴里で食べたえびのスープは一片のえびもなく、えびの香りと味で勝負しているのに、これがフランス料理だと感激したことがございます。(略)味と香りでどうですという仕事をしてみたいと思いました。

「デパートの食品売り場」

戦争中の食生活の苦労を味わった私など、食品売り場を見回したとき、あのときこれだけの品物があったらどんなにお客さまに喜んでいただけただろう、などと変な思いをめぐらしたりします。

なお「文庫版あとがき」は、二代目雅章が父の思い出のような口調で語ってくれておりますが、今はもう三代目ですら重鎮になっていいる時代ですね。どうにか伝統の味を継承して欲しいと部外者は思うばかりですが...

「たいめいけん よもやま噺」

9割は初代の心護氏の思い出エッセイなのですが、「あとがき」ののちに、二代目雅章氏が『「お料理一一〇番」よもやま話』として初代のことを語っている。

親父さんは店の者に好かれましたが、落語の林家彦六師匠、作家の池波正太郎先生、映画監督の伊丹十三さん、グルメの山本益博さんにも好かれました。

交友関係にも触れてますが、伊丹十三監督の映画で、それっぽいところ、ついYoutube で時間を溶かしておりました。

youtu.be

「よもやま噺」のなかに、伊丹十三さんのオムレツ話があります。伊丹さんが監督された、ウエスタン調ラーメンやの映画「タンポポ」が大変な人気を呼びました。

youtu.be

渡辺謙が... 初々しい。

旺文社文庫は、こういう昭和満載のエッセイ調の雑文集好きで読んで(買い集めてしまって)いる。とほほ。

この1冊でした(Amazon)

中公文庫の沼に陥りやすいから、自分注意せねば。