本一冊

すべての積読は一冊の本から始まる

ダフニ・デュ・モーリエ「レベッカ」期待に応えてくれました

2009年 ロンドンにて

はじめに(画像の説明)

 作者(女性)の名前からして勝手にフランス人の作品と思い込んでいたら、1938年発表のイギリス人による作品であった。

無理クリは承知で、2009年に訪れたロンドンでの一枚をば。当時は、ロンドンバスとこのタクシーの車種に興奮した!というのが、自分にとっての英国のイメージかもです。

さて、本題に戻って。

2008年に(大好きな)新潮文庫から新訳&新装丁が発売されていて、ときおりX(むかしTwitter)で「面白い」という評判を目にしていただけに、読まねば!と出会ったときに入手して、しばらく積んでいた。そして「外さない、海外の長編読みたい!」というタイミングですかさず読んだのである。

ラインナップや引用

期待に応えてくれた面白い要因を列挙しておこう。

  • イギリス上流社会の話であること
  • シンデレラ要素があること
  • ミステリーとホラーのハイブリッド
  • 古今東西を問わない人間の心象心理に基づいてのストーリー展開
  • 結末(オチ)をほのめかしつつ話が始まるのに、なかなか衝撃的な結末であること
  • (現代の小説と異なり、皮肉です)無理くりな結末でないこと

概ね冒頭、次の描写で始まるのであるが、結末を知って読むとまた感慨深いのですな。

月明かりというものは、人の心を、たとえ夢の中でも惑わすものだ。息を潜めるようにしてそこにじっと立っていると、わたしには屋敷がただの抜け殻ではなく、かつてのように息づき、生きているとしか思えなくなってきた。

やはり、読み継がれたイギリス小説に外れはないかなと。

(自分は知らなかったけど)ヒッチコックにより映画化などなど、されているようだけど、この作品は俄然読む方が楽しいと思う。

この一冊でした