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one book with a photo

梅雨に紫陽花と梅の実だけど「青梅雨」は悲しい小説

紫陽花と梅の実の組合せは珍しくない?

かなり厚化粧してみた画像。毎年、桜同様に紫陽花も撮影したくなりませんか? 

f:id:yfroot425:20170627212421j:plain Nikon D7200 with 35mm f1.8

たまたま、梅の実とのコラボな光景に出会ってとっても梅雨らしいかなと。

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
青梅雨永井龍男新潮文庫

梅雨と聞くと思い出す青梅雨

「おうめあめ」ではなく「あおつゆ」である。

15年以上ものむかし、編集者のおじさんに絶品!と勧められた短編だったが… 正直、初めて読んだときは全く響かず。実は、今読んでもピンと来ないところはある。

なぜかと言えば、時代のせいかなと。

しかも、この短編は身寄りない70過ぎのご老人3人(夫婦と嫁の実姉)と50歳過ぎの養女が服毒による無理心中という短編である。

「いいえさ、あの翡翠を買ってもらった時分が、あたしの運の頂上だったんだと思ってね」

最後まで手放さず持っていた翡翠を、いよいよ切羽詰まって現金化するもニセ物だったとわかる現実。どこまでも状況は暗いのだが、もはやみんな死を決めて吹っ切れたせいか、読んでいて暗さを感じない。

どこまでも、暗くない。そして、最後の最後には

「(略)睡眠薬は春枝が集めたものでしょうが、ここの主人と肉体的な関係があったかどうか、その辺のことは私は知りません」

春枝は50過ぎの養女である。養女もすごく好人物で描かれているが、最後にちょっとエッチな雰囲気を漂わせて終わる。

どうせなら、ここまで露骨に書かず、もう少し「?!これは怪しい…」と思わせる状況を匂わせるように書いて欲しかったかも。そういう、ある意味、情感が強過ぎるのかな? それとも、情感の質が時代にそぐわないだけなのか?

この1冊でした

青梅雨 (新潮文庫)

青梅雨 (新潮文庫)

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