本1冊写真1枚

one book with a photo

「向田邦子の恋文」恋人の高円寺に紅ビートル

邦子女史の恋人の日記には高円寺での出来事が

恋人(恋文の相手)が高円寺のどこに住んでいたのかは不明。高円寺もそれなりに広く、ここは青梅街道と環七交差点近く。

f:id:yfroot425:20170523214729j:plain Nikon S2 with JUPITER-8 50mm f2

白い車に囲まれた紅一点のフォルクスワーゲン・ビートル。一度は運転してみたい。

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
向田邦子の恋文向田和子

苦労も時が経てば笑い話

向田邦子女史の妹和子さんが2002年に発表?した、邦子さん30才前半のころの恋文と、恋文の相手による日記、和子さんのエッセイがまとめられている。

相手は妻子がいるので不倫になるが、和子さんを含む家族は姉のそういう一面を全く感じずにいたという。カメラマンでもあった彼は、40才過ぎで病に煩い、家族と離れて高円寺にある母親の離れで暮らしていたらしい。

当時、向田家は荻窪本天沼(うちの近所!)にあったので、ホテルで仕事を終えると邦子さんは高円寺経由で本天沼の家に戻っていたとかとか。

“何か”とは、シナリオであり小説であったのかも。当時売れっ子になりつつ、仕事で多忙を極めれば主婦をしている余裕はないよね(妙に納得&実感)。

自分が打ち込める”何か”を探し求め、洋裁、帽子づくり、映画雑誌の編集記者へと進み、やっと現れた”何か”だった。

と和子さんは回想し

邦子は寝る時間を削って、探し求めていた”何か”に打ち込んでいた。

ここで今さら私が知ったかぶって「稼ぐ女と対等に付き合える男は」と言う気は全くないが、稼ぐことは、孤独なことだと思う。ときに家族すら心を開けないことが(女に限らず)あると思う。

邦子さんの場合もタイミングの問題で、残念ながら、たまたま出会った相手に妻子がいて、それは神が巡り合わせたものかと思う。ただ最悪なのは、この恋人は結局自らこの世を去ったこと。

それでも彼女は、

「”… 口に出して言うか、言わぬかの違いはあっても、誰にも苦労はある。そこを、どうしていくかが、知恵のつかいどころ。あまりクヨクヨしないで、時が経てば、笑い話になる”って」

と言い切る境地までたどり着くのだから、強いところはあったと感じている。

この1冊でした

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

GoTop