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本1冊写真1枚

one book with a photo

藤沢周平「一茶」に描かれるお江戸のフリーランス

小林一茶パトロンがいた湯田中温泉

ここだけ、ここだけとっても温泉街な光景でした。

f:id:yfroot425:20170508223009j:plain Nikon D5300 with 35mm f1.8

それほど大きい温泉街ではない。が、とても静かにゆっくりできて良いとこ。

この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
一茶藤沢周平

弱者の味方と言えば聞こえはいいが

苦労人であることは間違いない。50歳で信州(長野)に戻り、遺産相続で勝ち得た土地に22歳年下の若い妻を迎え、wikipediaには

日記によれば、結婚後連日連夜の交合に及んでおり、妻の妊娠中も交わったほか、脳卒中で58歳のときに半身不随になり63歳のときに言語症を起こしても、なお交合への意欲はやむことがなかった。

と書かれ、さぞ桃色な晩年かと思えば、そうでもないような苦労人だったかと。以前、田辺聖子女史「ひねくれ一茶」を読んだが、こちらは作者が作者なので、わりと女性も交えた人間模様が彩り豊かに綴られていた。今回は藤沢周平氏なので、フリーランスとしての俳諧業な側面に普遍性を感じた。

お江戸で多くの弟子を抱え繁盛している俳人に対し、安定した住処を求め故郷に戻った自分を客観的に

江戸にのぞみを断って、郷里に腰を据えてみると、おのずから田舎者の生地が露出してくるようだった。都会びとの型にはまった風流ぶりとか、かいなでの田舎趣味のいかさまぶりもあきらかに見えてくる。

と分析する。ちなみに「かいなで」とは「表面をなでただけで、ものの奥深いところを知らないこと」らしい。そして、俳人として大した才能もないのに、お江戸で上手く振る舞う俳人

羞じらったり、下手に遠慮したりせず、気ままに振舞いながら、それでいて何が世に迎えられるかは、ちゃんと嗅ぎわけているのだ。

と、著者は一茶を介して世の中を描く。今の時代もこうだと思う。

この1冊でした

一茶 (文春文庫)

一茶 (文春文庫)

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